【体育会学生に読んでほしい】メンタルトレーニング入門編|パフォーマンスを発揮するための「興奮」と「集中」
はじめに
普段の練習の際に“なんとなくやる気がでない”状態や、逆に“よくわからないけどやる気満々”状態になったことはありませんか?
あるいは試合当日に、“緊張しすぎて身体が動かない”状態や“試合前なのに様々なことに気が散る”状態になったことはありませんか?
部活やスポーツを一生懸命行ってきた体育会学生であれば、おそらく誰しもが感じたことがあるはずです。
そしてどの状態だったにせよ、その日のパフォーマンスはとても褒められたものではなかったはずです。
近年では「メンタルトレーニング」という言葉が一般的になって来たので、部活の練習に取り入れている部活も多いかと思います。「メンタルトレーニング」と一言で言っても、とても奥が深いため、調べるのにも骨が折れてしまいます。
今回は、「メンタルトレーニング」の中でも「興奮状態」と「集中」という2つにテーマを絞り、「興奮状態」と「集中」のコントロールの方法(入門編)を紹介したいと思います。
スポーツにおける興奮状態とは?
「興奮」というのは「感情が高ぶること」を言います。
「興奮状態」とは「感情が高ぶっている状態」と考えてもらえばよいかと思います。
試合前に過度の緊張をしてしまい、身体がガッチガチになってしまった状態は興奮状態が高すぎる状態です。逆に、試合前なのに気が散ってしまう・ボーっとしてしまうのは、興奮状態が低すぎる状態と言えます。
お気づきの人もいるかと思いますが、この「興奮状態」が高すぎても低すぎても、いいパフォーマンスを発揮することはできないのです。また行うスポーツによって、最適の興奮状態というものが存在します。
ラグビーやアメリカンフットボールのような、激しい身体接触があるコンタクトスポーツにおいては、「興奮状態」が高い方がいいパフォーマンスが発揮できると言われています。
逆に、アーチェリーや弓道、バスケットボールのフリースローなどにおいては、「興奮状態」が高くないほうがいいパフォーマンスを発揮しやすいと言います。フリースローをするときに、大声をだしながらシュートを打つ人は見たことないですよね?
“落ち着いている状態”のことを興奮状態が低いという状態とも言えます。
この「興奮状態」というものをコントロールするための手段として、「集中」というキーワードを用いて説明します。
集中とは?
「ここ集中!」や「集中しよう!」など、スポーツの場面でよく聞かれるセリフだと思います。
一言で「集中」と言っても、実は様々な状態があるのです。もう少し詳しくいうと、集中する対象というものが様々あるということです。
外的集中・内的集中
集中する対象が自分の外面にあるのか、内面にあるのかという区別のことを言います。
外的集中
「外的」というのは「自分の外にあるもの、自分以外のもの」のことです。
つまり、「外的集中」というものは、「自分以外の対象に対して集中する」ということを表します。具体例でいうと、球技であればそのボール、対人競技であれば対戦相手などに集中することを言います。
内的集中
「内的」というのは「自分の内にあるもの、自分自身」のことです。
つまり、「内的集中」というのは「自分自身に対して集中する」ことを言います。具体的には、理想的なプレーをイメージしている、成功した姿をイメージすることを言います。
集中の範囲
次に区別できるのは、「集中の対象の範囲」の区別があります。
範囲を広くする
「集中の対象を広くとる」ということです。試合をするフィールド全体に対して集中したり、対戦相手全員の動きを対象とするなどと考えていただければいいかもしれません。
範囲を狭くする
「集中する対象を狭くする」ことです。フィールドに対して、ボールだけの動きを見ている状態や相手の足の動きだけを見ている状態がこの「狭い範囲の集中」に当たります。
4つの集中
スポーツの場面では、この「外的・内的」と「広い・狭い」を組み合わせて「4つの集中対象」にわけることができます。
外的に広く集中する
「集中の対象を自分の外にもち、さらに対象の範囲を広くとる」ということです。プレー中に、フィールド全体を把握することに意識を向けたり、相手の動き全体に集中することと考えてください。
外的に狭く集中する
「集中の対象を自分の外にもち、その対象は狭いもの」ということです。サッカーのフリーキックの際に、蹴るボールだけを見ている状態。アーチェリーで矢を打つ前に的だけに意識を向けている状態が、この集中に当てはまります。
内的に広く集中する
「集中の対象を自分の内にもち、対象を広げる」ことをいいます。試合の流れをイメージしたり、勝利する姿をイメージしたりすることがこの「内的に広い」状態です。
内的に狭く集中する
「集中の対象を自分の内にもち、対象を狭くする」ことです。試合前の自分の身体の状態に意識を向けることがこれに当てはまるでしょう。
「どのスポーツにどの集中がよい」ということは一概には言い切れません。プレーのその時々において、それぞれ最適な集中状態というものがあります。
例)サッカー
・オフ・ザ・ボールの時は、「外的に広く」集中するべきですが、フリーキックやPKを蹴る準備をしている時は、「内的に狭く」集中し、蹴る瞬間は「外的に狭く」集中するべきでしょう。
プレーごとに最適な集中があり、それぞれ切り替えなければいけないのですが、いちいちそのことを考えるのはとても難しいことです。
ですので、あくまでも集中には4つの種類があるということだけ理解しておいてください。
集中をコントロールするために
では、集中をコントロールするにはどうすればよいのでしょうか?この集中をコントロールすることは、興奮状態をコントロールすることにもつながります。
興奮状態を上げる集中方法
コンタクトスポーツなどで、興奮状態を高めたいときに行う方法(サイキングアップと言ったりもします。)は以下の2つです。
・短く、激しく呼吸する(口から息を吸い、口から短く吐く)
・大声を出す、叫ぶ
こうすることで、脳内から気分を興奮させるドーパーミンが放出され、興奮状態が高まります。
興奮状態を下げる集中方法
極度の緊張をしてしまっている時、フリースローなどで一度興奮状態を下げたいときには次の方法をするとよいでしょう。
・長く、ゆっくり呼吸する(鼻から息を吸い、口から長く吐く。腹式呼吸)
・目を閉じて、「内的に狭く集中」する
極度の緊張をしている状態、興奮状態が高すぎる状態の時は、呼吸が短く、激しくなってしまっています。意図的に長くゆっくり呼吸したり、集中を自分の内側に狭くすることで、強制的に興奮状態を下げることができます。
最後に
「興奮状態」と集中についてはご理解いただけたでしょうか?このテーマを完全に理解しようとすると、時間がいくらあっても足りないというのが本音です。
ですが、入門編として4つの集中とコントロール方法を理解するだけでも、かなり効果的であると思います。「本当にそうなのか?」と疑問に感じているのであれば、物は試しということで、まずは呼吸方法から取り組んでみてください!
CSPark for STUDENSでは、このほかにも大学スポーツにおける様々なお悩みについて相談を受け付けています。
「どうにかしたい悩みがあるけど、誰に相談したらよいかわからない!」ということであれば、ぜひ一度、ご連絡ください。
RELATED EVENT関連イベント
DOWNLOAD資料ダウンロード
-
- デジタル
- Web
- 広報
- 情報発信
-
- デジタル
- 情報発信
- 広報
- SNS